入試広報経費は補助金対象でないので各大学によってかなりバラつきがあると思います。
予算を増やしたからと言って志願者が増えるとは限らないし、その逆もしかり。
例えば前年度1億円の予算を半分の5000万に減額。
その減った5000万を教研費に回せば補助金ももらえ学生や教員に恩恵を与えられる。
それで志願者が減らなかったら何のための広報予算だったんだってなりますよね。
そう、効果が見えにくいんです。
高校訪問に行った結果、50人が志願して30人が入学した等、
確実に実績を上げていることが実証できない限り、ギャンブルのようなものだと個人的には捉えています。
自分の大学はどのメディアが適していて、どうやってアプローチするのか。
所属する大学に合ったマーケティング力が必要です。
この予算は上記の事情があるのでどこの大学も予算折衝では大分モメてるんじゃないかと予想しています。
さて、そんな議論が荒れがちな広報経費ですが、前職はそこそこ有名な東京の私立大学でした。
○○といえばアソコ!
のような看板学部がある大学です。
なので言い方は悪いけどほっといても学生が集まるというマイナー大学からしたらなんとも
羨ましい状態でした。
そんな環境だったので広報予算もほとんどないに等しい状態。
駅看板、電車内ディスプレイ、新聞にちょろっと載せるくらい。
これでも志願者はコンスタントに集まっていました。
もちろんこれは特定学部による恩恵であり他学部の二番手争いは熾烈でしたよ。
他学部教員はオープンキャンパス等でも必死になってアピールをしていました。
ギラギラしてましたね。
看板学部教員ははあぐらを書いているわけではないけど余裕があるのか全体的にややマッタリしてる印象を受けました。
この経験をしてから転職した地方のマイナー大ですが。
学生数は2倍多いだけなのに広報予算は前職のなんと20倍!!
特に看板学部がない大学だと常にメディアに露出していかないと忘れられてしまうようで。
新聞、電車内、駅看板、受験雑誌、・・・
1月に転職してすぐ予算作成をやらされた担当させていただいたんですがどれも桁外れの額でびっくりの連続でした。
ウソだろ?!
こう呟きながら何回も0の数数えましたよ。
有名大とマイナー大ではこのように広報戦略が全く違います。
前者はその予算を他経費に回せるので羨ましい限り。
そしてまた新たな事業へ投資するという好循環。
有名大がこうやってるから本学(マイナー大)も同じこれやりましょう!
は的外れですよ。
同じことやって差別化できますか?!
トレンドだからいいんですか?!
無駄な予算消費にならないよう広報としても戦略を練って
独自路線を切り開き、○○ブランドというワードができるくらいの
インパクトある広報活動を行うことが必要であると感じます。
と、説教じみたことを書いてしまいましたが、実際は急な方向転換はリスクもあることから
難しく、上の承認も得られにくいということでどうしても例年通りになってしまいますよね。。
業者も新しいことは嫌がるだろうし。
ただ、補助金対象でないことから縛りもないので広く動きやすいのは事実。
空前絶後の広報活動を行うことによって新時代を築く大学が出てきたら全力で応援させて頂きます。
というわけで広報部門への転職を考えている方はマイナー大のほうが使える予算も多く、達成感はあるかもしれませんね。